2020年に向けた国際化対応のなかで
モノ作りに関わる楽しさと責任を知った

山田 竜太郎 Ryutaro Yamada

施設計画室/東京オリンピック・パラリンピック推進室
担当業務:東京オリンピック・パラリンピックに向けた国際化対応
2002年入社 経済学部経済学科卒

東京都出身。関西空港の免税売店に勤務した後、経理課へ異動。2008年に観光庁の設置準備に民間メンバーとして出向。その後、施設管理運用課、施設計画課、施設管理課、事業改革課を経て2016年7月の施設計画室/東京オリンピック・パラリンピック推進室の発足と同時に配属。

お客様の利便性を追求して
羽田空港のブランド価値を高める

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、羽田空港も大きく変わろうとしています。国土交通省は、首都圏上空に新たな飛行ルートを設けることにより国際線の発着回数を3.9万回増やす計画を進めています。これだけの増便を実現するには、現国際線ターミナルビルの増改築だけでは賄いきれないため、国内線専用の第2旅客ターミナルビルの一部を増改築し、国際線としても利用できる共用ターミナルビルとして運用しなければなりません。そこで必要になる施設の大規模な増改築や、関係各所との調整を担うために新設されたのが、私の所属する施設計画室/東京オリンピック・パラリンピック推進室です。

部署のメンバーは役員を含めて11名。社内のさまざまな部署から集められた混成チームです。新しい施設はまだ設計の段階ですが、東京オリンピック・パラリンピック大会時に来日する選手やスタッフの動線、入国カードの発行カウンターの設置場所など、細かな点についても併せて検討を行っています。今年度中に設計を終えて、施工が始まる予定ですが、2020年の供用開始というスケジュールを厳守しなければならないので、日々プレッシャーを感じています。入社以来、経理から施設管理まで、幅広い業務を担当してきましたが、自分の手でモノ作りに関わるのは、このプロジェクトが初めての経験です。戸惑うこともありますが、最近になって将来形として残る仕事の面白さを感じています。

羽田空港は利用するお客様の数も多く、インフラとして社会的な影響力も大きいメディアからも注目される特別な場所です。増改築した施設は、東京オリンピック・パラリンピックの後も、何十年にもわたって使われ続ける施設であるため、それだけに、誰もが納得できるいいものを作らなければなりません。今回、第2旅客ターミナルビルの国際線対応がもたらす大きなメリットのひとつは、一部の国際線と国内線の乗り継ぎがターミナルビル内で完結するため、移動時間の短縮化等、お客様にその利便性・快適性を実感していただき、日本の玄関口として羽田空港のブランド価値を高めていきたいと考えています。

積み重ねた経験の一つひとつが
難局を乗り切るための力になる

国際化に対応するプロジェクトを進めていくうえで、航空会社や官公庁との調整には非常に時間をかけています。関わる部署も一つの組織で一つではなく、関係者が多数いるため調整内容も多く根気のいる仕事ですが、中立的な立場である当社でなければ調整役は務まらないと考えています。中立的な立場の当社だからこそ、それぞれの立場を理解したうえで、空港全体・航空業界発展のために何が最善か?という視点から調整が可能なのです。お客様にとって快適な施設にすることは、関係者全てに共通した目標ですから、誠意をもって説明し理解して頂けるよう日々関係者の皆様と接しています。

大規模プロジェクトであっても、動かしていくのは人です。同じ目的を共有して力を合わせるためには、信頼関係が欠かせません。その点においては、過去に異動した部署の経験が役に立っています。経理のスキルはもちろんですが、観光庁に出向した経験などが、今となっては点と点で繋がり、線になり、面として広がっています。これまでに積み重ねてきた経験の一つひとつは、自分にとって貴重な財産であり、難局を乗り切るための大きな力なのです。

今は2020年の国際化対応で頭がいっぱいですが、初めてモノづくりの面白さを知ったので、プロジェクト終了後も、引き続き、取り組んでいきたいと思っています。中堅社員としては、専門性の高い仕事の中で培った技術やノウハウを後輩に伝えていくことも重要です。

入社時に思っていた非日常空間であるワクワクする空港で働きたい、また根底には空港が好きだという気持ちがあります。現在プロジェクトに携わっていて、その羽田空港をソフトとハードの両面で世界ナンバーワンにしたいという思いは、ますます強くなっています。そのためには当社として、まだまだできることがあるはずです。2020年の先を見据えながら、プロジェクトを進めていきたいと思います。

(記事・所属部署は取材当時のものです)

ある1日のスケジュール

8:30
出社
9:00
メールチェック、資料確認、当日業務内容確認
10:00
設計業者との打合せ
12:00
昼休み
13:30
設計業者との打合せ
15:00
デスクワーク
19:00
退社