ITやロボットを導入して作る
一歩進んだ空港の未来

中島 悠太 Yuta Nakajima

航空営業課兼事業企画課
担当業務:技術活用による業務効率化検討、Haneda Robotics Labに関わる業務ほか
2012年入社 商学部経営学科卒

東京都出身。2012年に入社後、羽田エアポートエンタープライズに出向し、羽田空港国内線の洋菓子店舗における販売、管理運営業務を2年間にわたり担当。2014年に本社事業企画課へ異動して各種新規事業やラウンジリニューアルなどを担当。現在に至る。

さまざまな技術の実験・実証を行う
「Haneda Robotics Lab(ハネダ ロボティクス ラボ)」

入社して配属された洋菓子店舗では、デパ地下の一角を管理するようなイメージの仕事を担当しました。店舗における開店・閉店、販売業務、衛生管理やスタッフの健康管理などが主な仕事です。2年にわたる現業部門での業務を通じて、さまざまな課題について知り、私なりの問題意識を持ったことは、その後に異動した事業企画課での業務にも役立っています。現在私が担当しているのは、各種技術の活用により空港内で行われている業務を効率化し、従業員の作業負荷を減らす方法を検討する仕事です。ITやロボット、通信など、あらゆる技術を組み合わせて、新しいアイデアの実現や、今あるものの改良・改善に取り組んでいます。労働集約的になりがちな空港の仕事を、一歩進んだ次のステージにレベルアップすることが目的です。

1年ほど前に開設した「Haneda Robotics Lab」も、そうした取り組みの一環です。これは、労働生産人口の減少や「働き方改革」に伴う生産性向上への対応が求められる社会環境下において空港の各種業務課題解決のために、空港でのロボット技術活用の検証と導入に向けて、行政と連携し、ロボットの事業者や開発者に空港内での実証実験の機会を提供するものです。さまざまな技術についての知見を得たい私たちと、空港全体でさまざまなロボットが活躍している状況を生み、一般の方にロボットを身近に感じてもらいながら、日本での活用事例を世界へと発信したい行政の考えが一致したことにより生まれました。

清掃や移動支援、警備、案内、翻訳など、テーマを決めて公募を行い、幅広い業務の実験を行っています。いま導入の可能性が最も高いものとして期待されているのが、清掃業務の自動運転ロボットです。清掃は原則としてターミナル内にお客様がいらっしゃらない時間帯に行うため、技術面でのハードルは比較的低いと考えています。実証実験を行っていて思うのは、人が行う作業やサービスがいかに高度か、という事です。よって全てを自動化することを目指すのは効率の面からも適切ではなく、人が得意とする作業やサービスと、どのように住み分けを行っていくか注意深く考えていく必要があります。気をつけなければいけないのが、現場との協調を考えずに単に技術だけを取り入れても、期待した成果は出ないことです。技術を取り入れることに対する不信感や負担が生じないように、現場とのコミュニケーションを取りながら進めることが重要になります。社外に対するPRと合わせて、現場で働く職員への丁寧な説明も私の仕事です。

学生時代の知識や経験は
必ず仕事のなかで活かせる

私が日本空港ビルデングに入社した理由は空港やインフラへの興味に加えて、会社として規模が大き過ぎず、現場やお客様との距離が近く、自分が仕事で動いたこと、考えたことの結果がわかりやすいことが挙げられます。巨大な企業の大きな仕組みの中で働いていると、自分の仕事の成果が見えにくいという印象をもっていました。入社して改めて感じたのは、組織が柔軟で他部署との連携がとりやすいことです。一般的にいえば風通しのいい会社ですが、それは時には指示を待たずに、自分で考え判断して動かなければならないことを意味します。柔軟な組織である以上、それに応じた働き方が求められていると感じています。

現在の目標は旅客ターミナルビルにおける業務効率化ですが、それだけでは部分的な最適化で広がりがありません。将来的には空港全体を見渡して、生産性や効率を上げていく仕事に関わりたいと考えています。そのためにはまず、足元の小さな課題を一つひとつ解決して、小さな成功から積み重ねることが大切だと考えています。各業務の効率化というミクロの視点と空港全体の業務におけるマクロ視点の両面から、先進的な空港づくりに取り組んでいきます。

これから社会にデビューする学生のみなさんにお伝えしたいことは、今まで自分がやってきたこと、考えてきたことを大切にしてほしい、ということです。よく学生と社会人は違うと言われますが、それはそれまでの経験や知識が役に立たないということを意味しません。私は理系ではなく文系の出身ですが、組織論や生産管理等の授業の中では、技術活用に関するリスクや効率化に繋げるための原理について、触れられていたことを記憶しています。それは現在でも、仕事を進め、考えを深める上で、重要な基礎の部分を担っているように感じます。

世間の注目を集めている技術が私たちにとって良いものなのか、自分でも考えて判断することが重要です。新しい技術の導入には時間がかかりますし、実証実験の検証は必ずしも成功するとは限らず、決して華やかな仕事ではありません。しかし、こういった仕事が空港の未来に繋がっていくということが、私のやりがいになっています。

ある1日のスケジュール

9:00
出社、貸与品確認
10:00
翌日以降のミーティングのアポ取り、庶務(書類管理、経理処理)
11:00
業務実態調査の実地方法など、部内の方針確認ミーティング
12:00
昼休み
13:00
現業部門との調整ミーティング(業務調査の実施方法など調整)
14:00
調査結果を各部に連絡
15:00
委託先とのミーティング準備
16:00
調査業務委託先とのミーティング
17:00
業務調査結果受領後のシナリオ作成
18:00
退社、貸与品確認