「絶対安全」を厳守して施工できるように
知識と経験に裏付けされた判断力を身に付けたい

片野 亮輔 Ryosuke Katano

日本空港テクノ(株)出向 第2業務部 工事課
担当業務:施工管理
2015年入社 工学部建築学科卒

神奈川県出身。両親ともに建築士という環境で育った影響から、大学では設計を学ぶ。2015年に入社後、日本空港テクノへ出向し、空港内の工事の施工管理を担当している。

小さな工事の重要性に気付いたことで
日々の業務が貴重な学びの時間に変わった

大学の建築学科では、就職先として設計事務所、ゼネコン、ハウスメーカーを志望する者が多く、私のように不動産業界を志望する者は少数派でした。一般的な建築の仕事は、設計や施工管理などの特化した役割のうちから一つを受け持つことになりますが、私は計画から施工後の管理運用までの長いスパンでモノ作りに携わりたいと思っていました。そのため、駅や商業施設などの大勢の人が集まる空間に興味があり、都市開発に関わるデベロッパーを中心に就職活動を進める中で当社に出合い、学生の頃から旅行が好きでしたので羽田空港を利用する機会が多く、この場所で施設に関わる仕事がしたいと思ったことが入社のきっかけです。

私が出向している日本空港テクノの業務は、各種工事だけではなく空港内の設備管理、清掃、植栽管理、グランドハンドリング、空港サービスなど多岐にわたります。その中でも、工事課に所属する私の仕事は、空港内施設の整備工事や店舗の新設工事、改修・補修工事の施工管理です。工事の規模はさまざまで、空港の一角のイメージをガラリと変えてしまうような大規模なものから、コンセントの増設といった小さなものまで担当します。発注者より依頼を受けてから、業者の方々と現場を調査して詳細な施工内容を確認し、御見積りと施工計画書を作成。着工後は発注者のニーズを満たせるように工程を管理し、竣工から検査、引き渡しまで全てのプロセスに関わります。

配属されたばかりの頃は、電球1つの交換にも必ず立ち会うことへの理由や重要性が分からない中で担当していましたが、仕事を続けていくうちに、電気が流れる導線などの細かい部分まで熟知していなければ空港全体の維持管理に関わる仕事はできないと気付いたのです。また、日本空港テクノに出向経験のある先輩からも、空港を良くしたいという想いだけではなく、知識や経験に裏付けられた意見やアイデアがなければ通用しないとアドバイスを頂きました。テーマパークのように大勢のお客様が楽しめる空港をつくるという入社前から抱いていた夢を実現するためにも、電気や防災など幅広い分野の専門知識を身に付けていきたいと考えています。

制約が多く、難しい工事だからこそ
大きな喜びと達成感が得られる

羽田空港の楽しさや快適さは、厳格なセキュリティーの上に成立しています。そのため、空港内の工事についても時間や工具の種類などの多くの制約が課せられています。空港をご利用になるお客様に影響をあたえないように、基本的に工事は夜間に行います。現場の養生や後片付け、清掃もその都度行う必要があるため、工事に使える時間は1日に数時間しか確保できません。そこに空港内の施工管理の難しさがあります。特に保安区域や制限区域での工事は、工具や部品を落としただけでも事故や犯罪など、不測の事態に繋がる可能性があります。細心の注意を払いながら、決められた工期を守らなければなりません。だからこそ業者の方々と協力して工事を進め、計画通りに竣工した時の喜びと達成感は、何ものにも代えがたく大きなものがあります。

私たちの仕事で何よりも優先しなければならないのは「絶対安全」という方針です。たとえ工期に影響しても、事故につながる可能性が少しでもあれば、そのリスクは避けなくてはなりません。幸いなことに、まだそうした判断を下す事態に遭遇したことはありませんが、空港内の施工管理を任されるという重責は自覚しています。常に正しく状況を把握して、冷静な判断をするためには、まだまだ経験と知識が足りません。今後の目標は、周囲のフォローに頼ることなく、工事に関わる全てのプロセスを自らの力で対応し、自信を持って業務に取り組めるようになること。そして、建築士や施工管理士などの資格取得を視野に入れながら、さまざまな分野の工事に挑戦したいと思います。

(記事・所属部署は取材当時のものです)

ある1日のスケジュール

8:30
出社
9:00
メール確認、課内ミーティング(昼間工事等の確認)
10:00
工事依頼を受けた現場の調査
11:00
ミーティング用に作成した資料のチェック・修正
12:00
昼休み
13:00
課内ミーティング(夜間工事等の確認)
14:00
稟議書ほか各種書類・資料等作成
16:00
他部署のメンバーも含めて全体ミーティング
17:00
施工計画書ほか資料作成
18:00
退社