入社の決め手になったのは
理系の経験も生かせること

大学では統計学を専攻しており、ビッグデータやマーケティングについても学んでいました。空港に興味を持ったのは、大学生の時に語学留学から帰国して羽田空港に降り立った瞬間に『帰ってきた』と安らぎを感じたことがきっかけです。旅立つ人や訪れる人が心地よく過ごせる空港という空間を作る仕事に、理系出身の私が役立てることがあるかもしれないと思いました。実際に会社説明会で、先輩社員の方から理系出身でも学んだことを生かして働く場があることも聞けて入社を決めました。自分がお客さまの目線で事業やサービスに取り組めるか不安もありましたが、入社後にグループ会社に出向して空港の現場の業務を経験し、お客さまが空港に何を求めているのかを直に感じられる期間があることが安心材料になりました。

出向中は羽田空港国内線ターミナルの物販店舗に勤務して、接客をしながら来店されるお客さまがどのように商品を選ぶのかを観察していました。２つのものを比較して最適解を導くABテストのように、商品のディスプレイを工夫して売上との相関関係を調べるなど、出向中に最前線でお客さまの動向を実直につかむ経験できたことは、現在の部署でも大いに役立っています。

アプリの運用担当として
お客さまとつながる楽しさ

現在私が所属しているマーケティング戦略課で私が担当している主な業務は羽田空港の公式アプリの管理、運営と羽田空港に関するアンケート・インタビューの設計および結果の分析です。

2021年にリリースした公式アプリ「HANEDA AIRPORT」は、スマートフォンなどのデバイスを通じて空港を利用していない時でもお客さまとつながり、常に最新の情報をお届けするためのアプリです。毎週金曜日に配信している「HANEDA Quiz Time！」は空港内で開催されるイベントやニュースと連動したクイズで、私が企画から取材、原稿、バナー作成などの一連の業務を自分自身も楽しみながら行っています。掲載回数も70回を超えているため、ネタ探しに苦労する部分もありますが、ユーザーであるお客さまから寄せられる「毎週楽しみにしています」という声に励まされています。正解者にクーポンを送るなど、飛行機を利用しなくても空港へ行こうという動機付けになるような試験的な取り組みも行っており、今後もさまざまな施策を展開したいと考えています。

また、新たにアプリに搭載された「マイフライト登録」は、お客さまが搭乗予定の便を登録すると、空港での過ごし方を提案してくれる便利な機能です。アンケート調査で空港を利用する時に不安を感じるといった声が多かったことから、お客さま一人ひとりをコンシェルジュがサポートするイメージで実装しました。これからも更に新しい機能を追加することにより、マーケティング戦略部で推進している「One to Oneマーケティング」の実現に貢献できると考えています。

アプリの機能拡充のために
お客さまの追跡データを収集

私が大学の卒業研究としたのは「空港での滞在時間を有効活用するシステムの提案」であり、まさしく「マイフライト登録」の機能そのものでした。今は施設の紹介にとどまっていますが、将来的にはお客さまが旅行に出かける前から帰宅するまでの行動に合わせて細かくナビゲートできるようにしたいと考えています。

そのためには、より多くのお客さまのデータを収集・蓄積しなければなりません。その一環として、アンケートや店舗のレジ上で登録されるデータからは見えないお客さまの行動を追うためにテーマを決めて定点観測を行っています。到着ロビーでお弁当を買うお客さまはどのような客層でその後の移動手段にバスに乗るのか電車を利用するのか。これらのデータは曜日や時間によっても変化するため、毎日続けて結果を分析しており、そこから得た情報を関連部署に連携して実際に売り上げ向上につなげる施策を提案しています。

まだまだ経験が浅い部分もあるため、今後はよりマーケティングに関する専門知識を身につけたいと思っています。羽田空港の環境や当社の事業は唯一無二のものです。その中で経験を積み、グループ会社を含めた羽田空港全体のマーケターとして唯一無二のスキルと知見を身に付けるとともに、社内やグループ各社との連携も強化しお客さまへのサービス向上に貢献することが私の目標です。