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中期経営計画(2010~2012年度)の策定について (2010年5月12日 発表)

Ⅰ. はじめに

当社グループは、このたび2010年度から2012年度までの3年間を対象とした、中期経営計画を策定いたしました。 本計画期間において、東京国際空港(羽田)(以下「羽田空港」という。)のさらなる容量拡大・国際化や航空業界等に関わる新たな環境変化が想定され、当社グループとして、総力を挙げて着実に対応してまいります。

Ⅱ. 経営の基本理念

当社グループは、公共性の高い羽田空港旅客ターミナルビルの建設、管理運営を担う純民間企業として、『公共性と企業性の調和』を経営の基本理念としております。 この理念の下、旅客ターミナルビルにおける絶対安全の確立、お客様本位の旅客ターミナルビル運営、効率的経営と企業体質の強化を図り、事業から生み出す利益を航空会社、空港利用者、株主、国をはじめ関係者等ステークホルダーに適切に還元していくこととします。

Ⅲ. 環境変化の認識

1. 主な環境変化

当社グループの経営に大きな影響を与える環境変化として、①世界的金融危機後の景気低迷長期化の影響、②航空業界における事業環境変化、③本年10月羽田空港第4滑走路供用開始及び国際化、④我が国観光立国推進政策の推進、⑤デフレ長期化、少子高齢化等に伴う消費行動の構造的変化、⑥その他 CO2削減義務のさらなる強化の可能性、新型インフルエンザ等の流行の可能性、成田国際空港における容量拡大・交通アクセスの改善による影響等が想定されます。

2. 空港別旅客数の想定

景気動向や羽田空港の容量拡大等を踏まえ、空港別の旅客数を以下のように想定いたしました。

(単位:万人)
空港 2010年度 2011年度 2012年度
羽田 国内線 6,100( 3.0%) 6,160( 1.0%) 6,220( 1.0%)
国際線 500( 80.2%) 800( 60.0%) 860( 7.5%)
成田(国内・国際含む) 3,310( 1.8%) 3,380( 2.1%) 3,450( 2.0%)
関空(国際線) 954(▲0.3%) 954( 0.0%) 954( 0.0%)
(注1)
( )内は対前年増減率
(注2)
羽田国際線は東京国際空港ターミナル(株)の予測にもとづき想定した(2010年度は現国際線旅客数180万人(見込み)を含む)。成田は成田国際空港(株)の旅客数予測(本年3月発表)を用いた。関空は、2010年度は関西国際空港(株)の旅客数予測を用い、2011年度、2012年度は当社が横ばいと想定した。

Ⅳ. 新中期経営計画のテーマ

『羽田空港のさらなる容量拡大・国際化と新たな環境変化に対する着実な対応』

羽田空港においては、2013年度までに容量拡大(昼間40.7万回、深夜早朝4.0万回)が進められ、2013年度以降も一層の容量拡大や内・際ハブ機能の強化が進むことが想定されます。このような状況の中で、「Ⅲ.環境変化の認識」で述べたような新たな環境変化に対応しながら、本年10月供用の新国際線旅客ターミナルの開業・運営及び第1・第2旅客ターミナルビルの整備計画等全社プロジェクトの成功に万全を期すことが本中期経営計画の重要課題となります。

さらに、この3年間は、当社グループが培ってきた技術・ノウハウに磨きをかけ、2013年度以降に想定される展開ステージに着実に対応するための収益基盤の拡大と事業運営の効率化を進めてまいります。また、旅客ターミナルビル会社として、航空会社との協力・協調関係を一層強め、航空業界と 一体となって首都圏空港の新たな発展に寄与してまいります。

Ⅴ. 取り組み内容

本中期経営計画における当社グループとしての取り組み内容は、以下のとおりです。

Ⅴ-1. 事業戦略
1. 全社プロジェクトの推進
(1)新国際線旅客ターミナル開業に向けての取り組み
羽田空港旅客ターミナルビル建設、管理運営のノウハウを活かし、2010年10月末供用開始予定の新国際線旅客ターミナルの運営に係る施設維持管理、商業店舗運営・企画、旅客サービス等の基幹業務を当社が一括受託し、併せて物販・飲食店舗、旅行業等の事業展開も行ってまいります。
(2)第2旅客ターミナルビル増築・整備計画の推進
本年10月末の第4滑走路供用開始に伴う航空需要増へ対応し、第2旅客ターミナルビル本館増築及び増築部内の店舗、サービス施設等の施設配置、環境整備を行ってまいります。
(3)第1旅客ターミナルビル・リニューアル計画の推進
第2旅客ターミナルビル増築及び新国際線旅客ターミナル供用にあたり、供用開始から16年経過した第1旅客ターミナルビルの経年劣化対策を中心に整備工事を実施、併せて商業施設のリニューアルを実施してまいります。
2. 各事業の収益基盤の強化

既存事業において、各分野における環境変化に着実に対応し、空港外への展開を含む積極的な売上の拡大に加え、各事業における見直し・改善によるコスト削減も従来以上に徹底してまいります。

なお、セグメント別の重点施策は以下のとおり。

(1)施設管理運営業
  1. 国内線旅客ターミナルビルにおけるスペース有効活用の推進
  2. 商業施設活性化のための不動産管理の仕組み整備
  3. 施設管理運営に関わるライフサイクルコストの適正化
  4. 新国際線地区拡充計画、羽田空港跡地計画への主導的参画等
(2)物品販売業
  1. 主力店舗のMD・運営形態の再構築による基盤強化
    • 羽田空港における新規業態誘致及び直営店舗運営形態の効率化
    • 成田国際空港及び関西国際空港における当社直営店舗改装等
  2. オリジナルブランドの開発推進による原価率低減
  3. 当社グループとしての卸売事業強化への取り組み
  4. 市中における新規事業展開、海外空港(中国)における商業展開の推進等
(3)飲食業
  1. 羽田空港における飲食店事業の収支改善
    • 既存店の運営形態効率化、顧客誘引強化、コストダウン及び弁当製造の内製化等
  2. 機内食事業の強化
    • 羽田空港国際化に対応した新しい事業モデルによる羽田空港における機内食需要の獲得
    • 成田国際空港における機内食事業の新規顧客開拓
(4)事業運営コストの削減
当社及びグループ会社の人事体系見直しによる各事業運営コストの削減
  • 当社及びグループ各社における効率的な事業運営の仕組みの再構築
  • 当社及びグループ各社における採用・人事・給与・賞与等の体系・制度見直し
Ⅴ-2. 組織戦略

新国際線旅客ターミナル供用開始に伴い当社が受託する業務は、業務量が多く、かつ第三者のモニタリングを受けるため、高い業務品質が求められており、これに対応した組織体制を整備してまいります。また、事業運営コスト削減につながる全社的事務効率化を実施していまいります。

Ⅴ-3. 財務戦略

中期的に当社グループ収支が厳しい状況となることが想定される中、事業戦略の着実な実行を通じてROA(総資産経常利益率)、ROE(自己資本当期純利益率)の適切な水準確保を目指すとともに、健全な財務体質の維持を図り、経営指標の適切な水準を確保しつつ株主配当の維持に努めてまいります。

Ⅴ-4. 社会的責任の遂行

国際的な環境問題への関心の高まりもあり、大量のエネルギーを使用する旅客ターミナルビル会社として、費用対効果が最大で、かつ快適性・効率性と両立できるような環境対策へ取り組みます。また、国内外とも社会的不安定要因が継続しており、地震、火災、テロ行為等による空港又は旅客ターミナルビルへの人的・物的損害発生時等に適切な対応、被害最小化に努めていきます。

Ⅵ. 投資計画
1. 旅客ターミナルビル等の開発・整備に関する投資
項目 時期 投資額
第1旅客ターミナルビル・リニューアル計画
(環境、商業施設等整備)
2010~2011年度 70億円
第2旅客ターミナルビルⅢ次計画
(本館増築、施設配置・環境演出、直営店展開)
2010年度供用開始 190億円
第2旅客ターミナルビルⅣ次計画
(南ピア3スポット増設、既存改修工事)
2013年度(供用予定) 80億円
各種設備更新工事
(第1旅客ターミナルビル旅客搭乗橋(PBB)更新、第1、第2旅客ターミナルビル設備更新)
2010~2012年度 98億円
P4平面駐車場立体化工事 2010年度供用開始 60億円
現国際線ターミナルビル解体・撤去工事 2011年度 6億円
(合計) 504億円
2.事業展開に関する投資
項目 時期 投資額
店舗改装等(直営店舗改装、市中新規出店、中国展開等) 2010~2012年度 6億円
飲食子会社の食品加工設備の整備及び機内食子会社の羽田空港における国際線機内食供給拠点の整備 2010年度 13億円
ごみ処理事業子会社の焼却プラント老朽化等に伴う更新 2012年度 18億円
(合計) 37億円
(注)
上表1及び2の投資時期及び投資額については、現時点における当社の計画。
Ⅶ. 数値計画と経営目標

収支計画及び経営指標に関する目標は次のとおりです。

1. 収支計画(連結)
(単位:億円)
2009年度
(実績)
2010年度 2011年度 2012年度 増減率
営業収益 施設管理運営業 378 408 440 442 +16.7%
物品販売業 694 770 851 887 +27.7%
飲食業 136 156 183 192 +40.6%
(合計) 1,210 1,334 1,474 1,521 +25.7%
営業利益 51 42 42 63 +23.3%
経常利益 49 30 22 51 + 2.2%
当期純利益 25 13 7 25 ▲ 3.3%
(注1)
増減率は2009年度実績比
(注2)
  1. 施設管理運営業については、2010年10月供用予定の第2旅客ターミナルビル増築部建設・整備に伴い、旅客取扱施設利用料を建物原価計算等にもとづき改定することを織り込んでおります。(国土交通大臣の上限変更認可が必要となります。)
  2. 本年10月供用開始する新国際線旅客ターミナルビルの建設、管理運営を行う東京国際空港ターミナル株式会社の損益については、当社持分相当(34%)の損益を本収支計画に織り込んでおります。
2. 経営目標

当社グループは、投下資本に対するリターンの最大化を図り株主価値の向上を意識した経営を徹底するため、「Ⅴ.取り組み内容」において掲げている各施策を的確に推進し、適正な利益水準を確保することを目指すとともに、ROA、ROEを重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組んでまいります。また、借入金等負債水準の適切な管理により、自己資本比率50%以上を継続し、財務健全性を維持することを目指します。

3. リスク要因

当社グループ事業のリスク要因として、国際情勢の変化、自然災害発生及び新型インフルエンザの流行等の影響による国内線及び国際線旅客数の変動や航空会社の業績、並びに空港の設置管理者である国や行政当局の空港運営方針等があり、これらは当社グループの経営成績に対して重要な影響を及ぼす可能性があります。

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